低酸素脳症の兄がついに亡くなった。
アルコール依存症で、無職で、借金だらけで、金の無心をしてくるし、真夜中に無言電話を何度もしてきた兄。
生まれるときも、人生のどの期間も、死ぬときも、周りの人に迷惑ばかりかけた。
兄が倒れたときに兄嫁から葬式代を貸してと言われた。
「直送にしたら?コロナ禍だから。親戚付合いもしてないのに来る人もいない。お金もないのに。」
と私は言った。
「直送なんて耐えられない。私も死にたくなる。」と兄嫁。
まだ亡くなってもいないのに、「いつ振り込んでくれる?」と言う。
病院代や家賃の支払いが滞っているのがホントの理由だった。
家族葬は友だち葬だった
1年半眠り続けてから亡くなった兄。
葬儀は家族葬ホールで通夜と告別式で2日間行われた。
コロナ禍の時代に2日も出席して貰うのは気の毒だと思う。
今時は1日葬も少なくないと思うのだが・・・。
兄嫁と兄嫁の親友が主体になって決めた葬儀である。
兄嫁の友人関係がほとんどで親戚の方が少ない。
いとこを呼んで欲しいと兄嫁に頼まれて一人だけ来て貰った。
普段親戚付合いをしていない兄であった。
無職で仕事関係もない。
前妻との子供二人にも伝えたが今までの諸事情ゆえに来ない。
兄嫁は人懐っこい性格で派手好きなので友達が多い。
家族葬ではなく友達葬である。
香典は無しと言うのが最近は多いと思うので、前々から香典は受け取らないようにしようと言っていたが、私と従兄弟からはしっかり受け取っていた。
私は勿論、祭壇に飾る花も盛り籠も出費している。
兄嫁関係には会葬礼状を添えた会葬返礼品を渡しているようであったが、何故か私や私の夫と娘と従兄弟には渡さない。
帰り道で気がついて気分が悪い。せめて従兄弟には会葬返礼品を渡して欲しかった。
家に入るときの塩がない。
遺影写真は画像でスライドショー
会場に入ってすぐに驚いたのが遺影写真が画像であったことだ。
今時の遺影写真は画像なのか?
次にビックリしたのがスライドショーだ。
結婚式の披露宴でするような、出生から始まり夫婦の出会いと愛の軌跡。
遺影写真の画像が次々変わり、夫婦のキスや抱擁まで見せられた。
兄の前妻との子供が欠席していて良かったと内心で狼狽した。
集合写真
棺に花や好物の品を入れた後、兄嫁は棺の遺体と一緒に写真を撮って貰っていた。
どんなに愛が深いのかと感銘するが、ご遺体と写真を撮るなんて少し驚いた。
その後、祭壇をバックにして集合写真を撮るのも初めての経験で戸惑った。
まとめ
その他、驚きは小さいことまで書けば色々ある。
3寸の小骨壺だけに遺骨を拾うのも今までとは違うのだなと思った。
両親の時は墓用に6寸の骨壺と寺に分骨用に3寸の小骨壺とに分けて入れていた。
近年、増加傾向にある「墓じまい」などの影響で手持ちのお墓を閉じて、寺に納骨する人が増えているので小骨壺だけに遺骨を拾うことが多くなっているのかな?
いろいろ驚きがあったが、兄の葬儀が終わりホッとしている。
兄嫁も今まで出席したどの葬式より1番素晴らしい葬儀になったと自画自賛している。
迷惑ばかり掛けて来る兄であったが、もう完全に会えなくなったと思うとやはり寂しく辛い。
1年半も喋ることも食べることも楽しみもなく寝ているだけの日々を思うと、あの世で安らかになって欲しい。
今は冥福を祈るだけだ。
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